結婚や出産のお祝いをはじめ、歳を重ねると、ご祝儀袋を活用するシーンが増えてきます。しかし、いざ必要なときに正しい使い方がわからなかった、忘れてしまった…なんて経験はありませんか?「ご祝儀袋の正しい扱い方」は知っておきたい大人のルールのひとつ。大事なところから細かなところまで徹底的に解説していきますので、大事なシーンで恥をかかないよう、しっかりチェックしてください!
ご祝儀袋とは結婚式・出産を祝うギフトを入れるもの
ご祝儀袋とは、結婚式や出産を祝うギフトを入れるものです。「ご祝儀」は、お祝い事をお互いを支えあい、喜び合うという意味ももつといわれています。
では、まずはじめに急遽買いたいときにどこで購入すればいいのか、そしてどれくらいの金額を包むのが正しいのかをご紹介していきます。
コンビニや100均でも買える
結婚式に行く際、ご祝儀袋がない!ということでも大丈夫。コンビニや100均でも購入できます。購入の際に気をつけるポイントは3つ。
①色・・・基本的に白を選びましょう。親しい間柄の友人や後輩の結婚式の場合は、カラフルなものの使用は可。上司や先輩は無難に白だと失礼ないでしょう。
②「のし」がついてるものを選ぶ・・・古来よりお祝い事に使用されたアワビが、やがて日持ちのよい「のしあわび」として使われるようになったことが由来となっていて、現在でもお祝いやおめでたさの象徴としてかかせないものになっています。
③水引・・・ご祝儀袋の飾り紐として使われているのが水引。結婚式では、紅白や白地に金銀の水引が一般的です。ご祝儀が3万以上の場合は豪華な飾りや実物の水引が良いですが、それ以下であれば印刷されたものでOKです。
ご祝儀袋が被らないのは雑貨店
お洒落なご祝儀袋や他の人と被りたくない方には雑貨屋さんがおすすめ。凝ったデザインのものやメッセージカードがついているものもあります。
ご祝儀の相場は3万円
包む金額は無難に相場に合わせて決めるのがベスト。相場を軸に、相手との関係などを考慮して調整しましょう。
相場・・・3万円(身内以外)
親戚関係や同世代で結婚される方は、一律の金額ではなく普段からの付き合いの深さで決めるのがポイントで、多少の違いも出てきます。また、年齢が高くなるとご祝儀も高くなります。会社の取引先に限っては、会社でのご自分の立場や状況によって判断されるのが良いでしょう。
夫婦参列の場合→5万(2人分)
披露宴に出席しない場合→3千~1万(相手との関係やご自分の立場による)
ご祝儀袋はデザインによって意味が異なる
ご祝儀袋にもいろんなデザインがあり、水引の結びひとつで用途が変わってきます。代表的なものをご紹介しましょう。
「結び切り」「あわじ結び」は結婚式
(上;結び切り、下;あわじ結び)
この結び方は、一度結んでしまうと解くのが難しい結び方で「結婚が人生で一度きりでありますように」という願いが込められているといわれていたり、両端を持って引っ張るとさらに強く結ばれることから「末永く付き合う」という意味もあるそうです。
「蝶結び」は出産祝い
引っ張るとほどけて何回も結びなおせることから「何度あっても良い縁起事」という意味で、出産祝い、初宮、七五三等に使用します。※結婚式にはNG
出産祝いのご祝儀袋で押さえておきたいポイント
①「結び切り」「あわじ結び」「梅結び」は、「これ以上子どもが生まれないように」といった意味を持つのでNG。
②印刷された水引は避けましょう。
印刷された水引は、少額を包む場合やお心用に使われる簡易なものなので失礼にあたります。
③水引は5本がベスト。
水引の本数は「3・5・7・10」と4種類です。本数により意味が異なりますが、10本は結婚式用なのでNGです。
④「寿」と書かれているものはNG。
ご祝儀袋の表書きに「寿」と書かれたものが多く販売されているので、お祝いやおめでたいイメージをお持ちの方も多いかと思います。しかし、こちらは結婚式専用のものなので出産祝いには適していません。購入時には注意しましょう。
ご祝儀袋の書き方!中袋の記載方法
意外と間違いが多いご祝儀袋の書き方。あやふやなまま渡すことがないように、中袋の記載方法もあわせてご紹介します。
濃い色のペンを選ぼう
ご祝儀袋を書く際は、濃い色のペンを選んでください。格式の高い毛筆がマナーです。また、筆ペンでも可ですが、ボールペンは事務的になるのでNG。
薄墨の筆ペンもありますが、これは弔事用なので要注意です。薄墨で書くと、「涙で墨が薄くなってしまった」「急いで駆け付けたため墨をする時間がなかった」といった意味なのでお祝い事にはふさわしくありません。
ご祝儀袋には自分の名前をフルネームで書く
次は、「表書き」のご紹介です。水引の結び目を中心に、上段には「寿」「ご結婚祝い」など贈る名目を。毛筆・筆ペン・ 黒サインペンなどで濃くはっきりと書いてください。下段には、自分の名前を書きます。夫婦で招待された場合、子どもを含めて一家で招待された場合は、代表して夫(世帯主)の名前。
個人名の場合
上段に名目。名前は中央下にフルネーム(姓と名)で上段よりもやや小さめに書く。
連名の場合(2,3名)
五十音順もしくは年齢順。会社の人や兄弟で地位がある場合、地位・年齢が上の人から右側から順に。地位が低い人は左側に。地位・年齢が関係ない場合は五十音順で◎。
4名以上の連名の場合
代表者の名前を書いた左側に、「外一同」と添える。別紙で半紙や奉書紙に全員分の名前を書き、中包みに入れる。その際も、地位・年齢が上の人を右側から書いていく。地位・年齢が関係ない場合は五十音順。
会社名記入の場合
名前の右に少し小さめに。先方にあまり面識がない場合に使用。
ご祝儀袋の中袋の表面・短冊の書き方
ここでは、中袋の表面と短冊の書き方を紹介していきます。
ところで、皆さん短冊って何かご存じでしょうか?短冊とは、ご祝儀袋に付いている細長い紙のことです。お祝い事は「寿」「ご結婚おめでとうございます」などと書かれています。用途によって別の言葉が書いてあったり、無地の何も書いていないものもあります。
書き方
中袋の表面
包んだ金額を記入する。記入の際は、旧字表記。
短冊
短冊付きご祝儀袋の場合、文字が印刷されたものと無地の物がついていることがある。必ずしも、2枚使わなければいけないわけではなく1枚でもOK。2枚重ねることで、「二重の喜び」「喜びが重なりますように」という意味があるそうです。
名前の書き方
短冊には、ご自分の名前を書いてください。謝って新郎新婦の名前を書かないよう注意です。
シールの貼り方
短冊のシールの位置はとくに決まっておりません。短冊によっては両面テープがついているものもあります。
短冊の選び方
種類が沢山ある短冊の中からどんな物を選んだらいいのか...。結婚祝いは基本「壽」「寿」。旧字体の「壽」が丁寧でベストですが、略式の「寿」でも大丈夫です。また、「御結婚祝」「祝御結婚」という短冊も結婚祝いに用いるものですが、4文字という文字数が死文体といって嫌う方もいらっしゃるので要注意です。
最近ですと、「happy wedding」「ご結婚おめでとうございます」といった短冊もあります。こちらは、形式張らないカジュアルウェディングや結婚パーティーなど、親しい友人へのお祝いにはピッタリです!逆に、格式高い結婚式や新郎新婦が目上の方といった場合は避けましょう。
ご祝儀袋の中袋:裏面の書き方
裏側の書き方
中袋の裏側には、送り主の住所と名前を書きます。郵便番号まで書くと親切です。新郎新婦がご祝儀を整理するとき、上包みを外すことがあり誰のかわからなくなるのを避けるために書きます。
中袋はのりやテープはいる??
中袋はのりやテープで封を閉じなくて大丈夫です。
文字を書くのがちょっぴり苦手な方へ
文字を書くのが苦手な方へのおすすめ!
- 太めのサインペンやフェルトペンを使う
- 最初から「寿」など書かれたものを使う
- スマホを使って簡単に映すだけでいい「ライフハック」や「透かして清書」といったアプリを使う
ぜひ参考にしてみてくださいね。
ご祝儀袋のお金の入れ方は肖像画が上部
上記のように、お札は表に肖像画の上部が見えるように入れましょう。
お札は新札を用意する!新札に生まれ変わらせる方法をご紹介
お札は必ず新札です。新札にすることは、「ちゃんと準備して楽しみにしていました」という意味を表すものになるからです。基本的には銀行で新札を用意しますが、急遽準備出来なかった場合に新札に戻す方法があります。それは、アイロンでシワを伸ばす方法。
- お札を霧吹きなどで少し湿らせます。
- 布をあて低温のアイロンで優しく伸ばす。
- ホログラムがあるほうを下にして裏面をかける。
これさえ出来れば、新札が準備出来なかった場合も対応できますね。
ご祝儀袋の捨て方
意外とどうしたらいいかわからないご祝儀袋の捨て方をご紹介します!そもそも捨てていいの?と思っている方も多いはず。捨てづらいのもあるかと思いますが、実は捨てていいものです。基本的には可燃ごみとして捨てましょう。ただし、捨てる際に気をつけるべきポイントがあります。
- ご祝儀をくれた方の情報を記録
- 個人情報の取り扱いに注意し紙袋に入れたり、シュレッターなどで細かく切って捨てる
この2点には要注意して捨ててくださいね。
ご祝儀袋のふくさ(袱紗)の選び方から畳み方
そもそも袱紗って?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。袱紗とは、結婚式のご祝儀やお葬式の御香典を持ち歩く際、水引が崩れたりシワがつくことを避けるために用いります。また袱紗で包むことにより、礼節や相手とうれしさや悲しさ を共有する優しさを示すものになります。
それでは、結婚式の袱紗はどんなものがおすすめなのか。
・結婚式用のふくさ(袱紗)は赤系の色がおすすめ!
・結婚式用の袱紗は、暖色系の赤やピンク、ベージュは◎です。ちなみに、紫は慶弔どちらでも使えます。
・結婚式用でNGなのは、緑・紺・藍・茶色など寒色系。誤っても使わないようにしましょう。
袱紗の畳み方編
結婚式などのお祝い事の包み方です。
- 袱紗を広げ、中央よりやや左にご祝儀を置く
- 左側を中に折り込む
- 上部を中に折り込む
- 下部を中に折り込む
- 右側を中に折り、あまった部分を裏に折り返す
お悔み事は、この逆の包み方になるので要注意※
正しい扱い方で気持ち良くお祝いしたい!
お祝いの気持ちを込めてお贈りするご祝儀袋。正しい扱い方やマナーを覚えて、せっかくのお祝い事に水をささないように気をつけたいところです。何か困ったことがあるときは、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてください!