紫陽花(あじさい)の花言葉は幅が広く、色によって異なるのが特徴。そこで今回は青、紫、ピンクなどの色別、さらに種類ごとに異なる紫陽花の花言葉について紹介していきます。話題の枯れた紫陽花に関しても解説しているのでぜひチェックしてみてください。
紫陽花の花言葉は「家族団欒」「高嶺の花」!その由来とは?
紫陽花の花言葉ってネガティブなものが広がっていますが、実はポジティブな意味合いもあるんです。そもそも「紫陽花」は「集真藍(あづさあい)」つまり「藍(青)色が集まる」というのが言葉の由来といわれています。確かに紫陽花を思い出してみると、小さなお花がたくさん集まって咲いているように見えますよね!
このことから「家族」や「団欒(団らん)」などの意味を持っており、家族で仲良くしたい!という意味を表現するのに最適なお花であると言えます。
また、「高嶺の花」という意味も持っており、その由来には紫陽花の色の移り変わりが関係しています。なかなか心を奪いきれない女性を想起させ、「高嶺の花」や「神秘的」という花言葉がついたとされているんです。
紫陽花を英語でいうと「Hydrangea(ハイドランジア)」
紫陽花の英名は「Hydrangea」、ラテン語で「お水の器」という意味です。6月の梅雨シーズンに咲くことからもわかるとおり、たっぷりの水がある方が育ちやすいお花なので、「お水の器」はぴったり合っていますね。また、ヨーロッパでは「東洋のバラ」とも称されるほど、人気が高い花なんです。
ちなみに意外と知られていないのですが、花びらがたくさん集まっているような見た目をしていますが、実は花びらではなく萼(ガク)(別名:装飾花)なんです!
気になる花びらの正体は萼の中心に咲いている非常に小さいもの。近くでみないと分からないくらいのサイズ感です。
紫陽花の花言葉を色別で紹介
先ほど紫陽花は「高嶺の花」を表すという紹介をしたのですが、表裏一体の花言葉として「浮気」や「移り気」などのネガティブなものもあります。
結婚式のお祝いやプレゼントに贈ることもあるのに大丈夫なの?と思う人もいるかもしれませんが、実は紫陽花はグラデーションの色合いや色別で花言葉が違うんです。ここからは紫陽花の色別で花言葉をご紹介していきますので、それぞれの違いをしっかりチェックしてください。
紫・青の紫陽花の花言葉:冷淡、無情、浮気、知的、神秘的、辛抱強い愛
紫陽花の定番カラー、青や紫。雨の日でも咲き誇る凛とした様子から「神秘的」や「知的」という花言葉が付けられました。
また「辛抱強い愛」という意味も含まれており、とある遠距離恋愛カップルが由来とされています。ドイツ人の男性医師「シーボルト」は日本で出会った「お滝さん」に恋するのですが、なんと彼にスパイ容疑がかけられ国外追放に…。やむを得ずドイツに帰国した後、日本で採った紫陽花に「お滝さん」の名前から「オタクサ」と学名をつけました。離れていても思っているというお話から「辛抱強い愛」という花言葉がつけられました。なんともロマンチックなストーリーですよね!
その一方で「無情」や「高慢」、「美しいが冷淡」という花言葉もあります。男性から女性へ贈る際は、ポジティブな花言葉だけでなくネガティブな意味も予め知っておいた方が良さそうです。
緑(アナベル)の紫陽花の花言葉:ひたむきな愛
最近よく紫陽花畑で見かける色かもしれませんが、紫陽花には「アナベル」という緑色の品種があります。モダンな印象があり、主張が少ない分ほかの花と一緒に添えて贈るギフトにもぴったりです。
そんな緑色の紫陽花「アナベル」の花言葉は「ひたむきな愛」。色合いの面でも花言葉の面でも、お祝いごとにぴったりなお花です!
赤・ピンクの紫陽花の花言葉:元気な女性、強い愛情
赤やピンクに色付く紫陽花は主にヨーロッパで育ちます。その中でも「元気な女性」はフランスでつけられた花言葉とされており、かわいらしい色であることと心地の良い気候であることが由来とされています。
日本の6〜7月はジメジメとしていますが、フランスでは比較的湿度が低く植物を育てるのに絶好の気候。日本と海外での環境の変化による花言葉の違いは面白いですよね。
また、母の日で見かけるカーネーションのように、赤やピンクは「愛情」や「母の愛」を表現する色でもあります。毎年カーネーションをあげていてマンネリ化しているという方や、個性的な母の日ギフトを贈りたい!という方に、赤・ピンク色の紫陽花が好評です。
白の紫陽花の花言葉:寛容、一途な愛情
紫陽花は色の移ろいが特徴的なお花ですが、実は白色もあるんです。花言葉は「寛容」や「一途な愛情」。どの色にも染まっていない洗練されたイメージから、懐が広い意味を表す花言葉がついたとされています。
また、白なので他のお花を引き立てますし、フォルムの可愛らしさから、結婚式のブーケやお祝いごとの飾りとして使われるケースも多いそうです。近々お祝いごとがある方はぜひチェックしておきましょう。
紫陽花の花言葉は種類によっても異なる
紫陽花の花言葉は色によって異なる…だけでなく、品種によっても異なります。紫陽花の種類はなんと約3,000あるとされていますが、中でも代表的なものは「ガクアジサイ」と「ホンアジサイ」の2種類。
ただ「ホンアジサイ」はヨーロッパで品種改良されたもので、花が手毬(てまり)のように集まった一般的なもの。紫陽花畑やお花屋さんで見られます。前述のとおりさまざまな色があり、色別での花言葉が一般的ですが、ここでは品種の違いから紫陽花の花言葉をご紹介していきましょう。
ガクアジサイの花言葉:謙虚
日本原産の「ガクアジサイ」は日本原産の品種。こんもりしたフォルムではなく、中心に細かいお花が集まり、それらを囲うように大きいお花が咲いているのが特徴です。小さいお花を額縁のように囲うことからこの名前が付いたといわれています。
そんな「ガクアジサイ」の花言葉は「謙虚」。確かに今では一般的な「ホンアジサイ」(西洋アジサイ)とは異なり、控えめな印象がありますよね。色は淡い青や淡い紫、白など、高さが2m〜4mまで育つものもあります。
ヤマアジサイの花言葉:乙女の愛
「ガクアジサイ」とよく似ていますが、山で育つことからこの名がついた「ヤマアジサイ」。パッと見た感じ紫陽花の1種なのか判断できないくらい、普段よく見かける「ホンアジサイ(西洋アジサイ)」とは特徴が異なりますよね。
「ガクアジサイ」との違いは、サイズ感と葉の厚さ。枝が細く花も全体的に小さめで、葉っぱも薄いです。また、難しいかもしれませんが葉っぱに光沢がないのも見分けるポイント。
凛と咲く「ヤマアジサイ」の花言葉は「乙女の愛」です。華奢で清楚なイメージから付けられたといわれていて、なんともロマンチック…!自宅でも育てられるので、お花好きな方への贈り物におすすめです。
コンペイトウの花言葉:忍耐強い愛情
ここからは少しレア度が上がる紫陽花の品種です。「コンペイトウ」も中央に小さなお花が集結しているのですが、その外側を囲う装飾花は丸みを帯びた形ではなく、先端が少し尖った金平糖(コンペイトウ)のような形が特徴です。また、何層にも重なり合っているので、これまで紹介した紫陽花よりも立体的で豪華な印象を与えてくれます。色合いも非常に美しく、中心から外側にかけてグラデーションのように白くなっている(覆輪)点も魅力です。
そんな「コンペイトウ」の花言葉は「忍耐強い愛情」。その理由は枝が頑丈なので、大きな装飾花が咲いても枝が折れる心配がほとんどないためなのだとか。全盛期になってもしっかり支えてくれることから、このような素敵な花言葉がつけられました。
てまりてまりの花言葉:家族団欒
続いて紹介する「てまりてまり」は、「ホンアジサイ(西洋アジサイ)」と「ヤマアジサイ」(花言葉:乙女の愛)を交配させてできた品種。前者の花の付き方と後者のこぢんまりとしたサイズ感の良いとこどりをしたようなお花です。
1つひとつはとても小さいのですが、ひとつの花房(はなぶさ)に多くの花が付きます。細かいお花がたくさん集まっているため、遠目で見ると存在感がある一方、近くで見ると綺麗に色づいた無数の花が咲いていて、まるで芸術作品を見ているかのよう。ずっと見ていたくなるほど、引き込まれる美しさをもつ品種です。
「てまりてまり」には「ホンアジサイ(西洋アジサイ)」と同じく、「家族団欒」や「家族平和」など、家族に関係するポジティブな花言葉があります。枝が太く葉も大きいので、花に見立てた家族をサポートしてくれるような様子が想像できますね!
紫陽花の色が変化する理由は土壌のpH値にあり
ここまで色別、そして品種別の花言葉について紹介してきましたが、そもそも紫陽花ってなぜこんなに色の種類があり、そしてグラデーションになるか知っていますか?
大きな原因として、土壌のpH値(酸性・アルカリ性)が挙げられます。
日本ではよく青色の紫陽花を見かけますが、実は日本の土壌は弱酸性であるところが多く、その養分を吸った紫陽花は青〜紫に色付くとされています。一方ヨーロッパでは赤やピンク系の紫陽花が多く咲いています。日本で花を咲かせる5〜6月は梅雨のシーズンで雨が降る日が多いのですが、ヨーロッパの雨が少ない地域ではアルカリ性の土壌の地域が多く、それにより赤〜濃いピンク色の紫陽花を咲かせます。
知っておくと紫陽花マニア?!色の変化を深堀り
それではなぜ、土壌が紫陽花の色の変化に影響するのでしょうか?
実は紫陽花の根っこから、土に含まれているアルミニウムを吸収しているかしていないかが鍵。アルミニウムを吸収すると青系の色になり、そうでないと赤や濃いピンクに変化するんです!
そんなアルミニウムは酸性の土壌では溶けやすく、アルカリ性の土壌では溶けにくいのが特徴。前述のとおり日本では弱酸性から酸性の土壌が多いため、青色の紫陽花が定番なんです。知っておくといつか役に立つかも!
白い紫陽花の正体とは?!
白い紫陽花のように色の変化がない種類もありますよね。その秘密は、紫陽花の色素、アントシアニンに隠されています。「シロアジサイ」にはこの色素が含まれておらず、純白な花を咲かせることができるんです
。
花の老化現象も影響している
また、色の変化は土壌のpH値だけでなく、紫陽花が持っている色素の分解が影響しているともいわれています。つまり、老化現象です。
先ほど紹介した白色の紫陽花「アナベル」は時間が経つにつれて白から緑に変化したり、秋まで育つ「フェアリーアイ(秋色アジサイ)」もどんどん色がくすんできたりします。
紫陽花の贈り方は花束・アレンジ・鉢
ここからは紫陽花を誰かに贈りたい!という時に押さえておきたいポイントを紹介していきます。まずは代表的な3種類の紫陽花ギフトから。
・紫陽花の花束
・紫陽花のアレンジメント
・紫陽花の鉢(ポット)
よくお店などでも見かける「西洋アジサイ」は大輪でボリューミーなので、【花束】にするだけで十分喜ばれます。この際は先ほど紹介した花言葉や色の変化に着目してみると、より思いのこもったギフトになるはずです。
2つ目の【アレンジメント】は季節の植物と紫陽花を組み合わせて、お花屋さんの方などに生けてもらうもの。受け取った側はそのまま家に置くだけで入れ替える手間が必要ないのがメリットです。アレンジメントの予算を決められるので、贈る側も楽ですね!
最後はガーデニングが趣味の方や、庭を持っている方におすすめの【鉢】。店頭に並ぶのは4月から7月くらいが一般的で、母の日ギフトとしても人気が高まっています。
枯れた紫陽花をドライフラワーにするのが話題
また、最近流行っているのが【ドライフラワー】として紫陽花を愛でる方法。これに使うのは先ほど色の変化のセクションで紹介した「秋色アジサイ」がおすすめで、レトロな雰囲気が溢れるインテリアとして楽しめます。枯れた紫陽花ならではの美しさがあり、自分の部屋やリビングに彩りを与えてくれますよ!
紫陽花を種から自宅で育てる方法
紫陽花の花言葉についてのご紹介、いかがでしたか。色や品種によって異なる花言葉…紫陽花って知れば知るほど奥深いお花なので、かなり興味をもっていただけたのはないでしょうか。
最後に紹介するのは、紫陽花を自宅で育てる方法について。苗から育てる場合、一般的に紫陽花が咲く時期は5〜7月なので、3、4月頃もしくは秋ごろに苗を植えるのが良いでしょう。種から育てる場合は3〜4年かかりますが、愛情が芽生えますし、稀に新種の紫陽花が生まれる場合もあるそうです。
紫陽花は成長すると1m〜2mほどの高さまで伸びるため、庭やベランダが一気に華やかになるはず。あまり場所が取れない方の場合は、株分けや剪定をしておけばスッキリと育てることができますよ!